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65いつもと違う悠
2011 / 01 / 18 ( Tue )
65いつもと違う悠

 2011年1月、屋敷林にいるムササビは、悠と昨年3月に生まれた米々(男の子)と

寿々(女の子)の3匹である。1月10日には悠と寿々は一緒の巣箱だった。11日には

米々も加わり親子3匹で過した。12日にはまた悠と寿々の2匹になり、13日の朝には

寿々も米々も屋敷林に帰って来ないで、悠は一人で過した。

米々も寿々も生後10ヵ月、この屋敷林に帰って来ないで、山のどこかで過すほどに

成長した。米々(男の子)は2日連続で帰ってこなかったので、このままずっとかえって

こないかも知れない。母悠から独立・巣立ちしたのかも知れない。理理(3年前の女の

子:1年2ヶ月母と一緒にいた)の場合からして、寿々(女の子)は多分また戻ってきそう

である。


 今回の観察で悠がいつもと違っていることは、

 ①朝の帰巣が早いこと、②仔達よりも早く巣箱の近くにきて、巣箱とその近辺

を入念に調べること、③昼もよく巣箱から顔をだしていること 

である。

 悠の朝の帰巣(巣箱に入る時間)は、1月11日は5:20,12日は5:03,

13日は4:44であった。日の出は6:53(福島気象台)であるので、11日はとも

かく、12日と13日は日の出2時間前の巣箱入りである。いずれも真っ暗であった。

(なお、いずれも前夜巣箱から出て行って途中巣箱の戻っていない。)


ムササビ巣箱は全部で6個あるが、このところ悠が使い続けているのは、屋敷林の東側

にある「奥の杉の木巣箱」である(10日の夜テンが寝ていた屋敷林の西側にある巣箱から

約50m離れている)。いつもだと悠は、朝に山から帰ってくると巣箱の上に乗ったらすぐ

巣箱に入るが、今回は全く違っていた。朝帰ってきて悠は巣箱にすぐ入らないのである。

まず子供達よりも早く帰ってきて、警戒しながらゆっくり巣箱に近寄り、巣箱の中をまず、

確認し、それから巣箱の臭いをよく嗅ぎ、木の上を何度も見て、巣箱の下の様子を頭を

かしげて窺がい、巣箱に到着してから3分から6分かけて巣箱に入る。巣箱に入ってから

も巣箱の下の様子を窺がっている。この数ヶ月、イノシシとテンが出没していることから

警戒しているのであろうか。一方、米々と寿々は、躊躇なく、母親悠のいる巣箱に入って

いく。

この4日間、巣箱からムササビが顔をだしている写真を27シーン撮った(合計83枚)。

これだけ撮れば、米々と寿々の成長ぶりも確実に把握できるとおもった。しかしながら、

パソコンで拡大し確認したところ、驚いたことには、映っているのは全て悠であった。

三枚だけ悠と寿々が映っていた(下掲)。

悠と寿々   手前が悠で、後方が寿々である。

  寿々は鼻の頭が黒ずんでいる「鼻黒」である

 (米々は鼻の頭に黒点があり、黒ポチ」と呼び、

 「鼻黒」寿々と区別がつく)。


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 つまり、悠だけが、断続的に巣箱から顔をだしていたことになる。なお、写真撮影は、

いつもどおりである。即ち、カメラを巣箱前にセットしておき、ビデオモニターで巣箱

を見ていて、顔を出しているときに、ワイヤレスリモコンで母屋の縁側からシャッター

を切っている(いつもどおりで、悠へのプレッシャーはないはずでである)。

 昼間にこれほど巣箱から顔を出すことはいままでにはなかった。いつもとは明らか

に違う。一方仔達は、昼は母の元で安心し熟睡していたのであろうか。

 
 これから悠は、多分3月には次の子を産むだろう。そうすると時期からしてちょうど

今が交尾期になり、過敏になっているのかも知れない(今回の観察では雄ムササビの

出現はなかった)。あるいは、10日の夜に表れたテンの影響なのであろうか。

 また、米々と寿々が屋敷林に帰ってこなかったことが初めて観察された。生後10ヵ月

になり、巣立・独立の時期になっている(注)。寿々(女の子)は、悠の次の出産、子育てに

同居するであろうが、米々(男の子)は、この屋敷林から巣立・独立してもういなくなる

であろう。今回はその前兆となると、うれしくもあり、寂しさも感じる観察であった。


   注:母の「なわばり」に滞在する期間は、息子が1年、娘が1~1.5年 
        川道武男 1日本動物大百科 哺乳類Ⅰ ムササビ 1996年 平凡社
 






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