42.この仔はだぁーれ
2009 / 12 / 15 ( Tue )
42 この仔はだぁーれ

 今年の阿武隈は、暖かい日が続いたにもかかわらず、綾錦のみごとな紅葉となった。

42誰落ち葉 2009.11.08
 屋敷林のケヤキは紅葉の最盛期、イチョウはこれから、

 楓は今年はよくない。                                                   
 ネズミモチ、センダン、柿などは例年どおり実をつ

 
けたが、 ムササビが大好きなドングリはほとんど実をつけていない。

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 紅葉もおわりとなり、ムササビ悠とその家族にとって一番いやな時期が来た。落ち葉を

集めて堆肥をつくるために悠の巣箱の周りにも人が何回となく近寄ってくるのだ(落ち葉

はおよそ一ヶ月に渡って落ちる。全ての葉が落ちてからやれば効率的だが、その間は屋敷

中落ち葉だらけになってしまう。数回やらざるを得ない)。

この「落ち葉さらい」も終わったばかりの12月5日、屋敷林の5個の巣箱のうち一番西

側にある「新巣箱」にムササビが入っている。

42誰①  2009.12.5

  耳のうしろの毛が黒い。尻尾の毛もフカフカ。体も

  小さい。成熟前の仔どもである。

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この仔は誰れだろうか。ムササビはどれも同じような顔をしているが、よく見ると親子、兄

弟でも違いがある。かつて川道武男氏は179匹をも個体識別し(その識別法を図解いりで

述べられ)ている(注1)。簡便確実な識別には、実際に見て、写真に撮り、じっくり比べ

ることである。そこで、写真を撮ろうとして巣箱の前にカメラをセットしたが、セットに手間

取り、歩きまわったせいか、警戒して、この仔は終日1回も顔を出さない。次の日は奥くの

杉の木巣箱に移動したのか(注2)どこにいるのか分からない。とかくこの時期は例年

ムササビが過敏で観察にはあまりよくない。


次善の策としてビデオ録画から識別を試みた。上記川道武雄氏の識別法を脇において

ビデオ映像を見続ける。ところが、ビデオ録画といっても、巣箱に付いているのは、

25万画素しかなく解像度が低い。加えて、自然光ではなく赤外線なのでモノクロ画

像であり、不鮮明。カメラは巣箱の上部から下方に向けてあるのでムササビが上を

見てくれないことには顔の正面は映らない。ムササビは巣箱の中ではほとんど寝ている

ので、いつ顔を上げるか延々とビデオを流し見することになる。顔を上げたところを

静止画にして、プリントし、見比べる。ところが(とうぜんのことではあるが)、

同じ角度、同じ向きに映っているシーンを見出すことはとても困難である。

 識別ポイントは、①顔がおなじかどうか、②耳の形状、で選別し、仔ムササビ

が映っている直近のもの(11月7日から11日、9月29日、30日)から

判定した。 

42誰④ 2009.12.05写真①

 特徴は(1)耳たぶの内側が独特の形。

    (2)鼻のすぐ上が盛り上がっている。 


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42誰③ 2009.12.05写真②

  写真①のすぐあとのポーズ。特徴(1)は毛で隠れて

  映っていないが特徴(2)は窺がえる。


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宵出巣① 2009.11.07写真③

 写真②とそっくり。

 耳たぶは見えないが、鼻のすぐ上の盛り上がりも同じ。


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朝今月① 2009.09.30写真④
  
  耳たぶの形状は写真①とおなじ、鼻のすぐ上が盛り上

  がっている。若干面長に映っている。

  この仔は、今年3月に生まれた「希々」だ。

  母親悠のお腹の上で熟睡している。
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いじょうの通り、12月5日新巣箱にいた子供ムササビは、3月生まれの希々であった。


この個体識別には、静止画30枚の作成とその比較検討に時間を要したのもたしかである

が、ムササビの生態を知らなかったことから余計な推測と曲折に陥ってしまった。それは

9月29日のビデオ映像にある。   

宵今月
  2009.09.29宵の出巣時の希々と悠

  活発に動きまわり、母悠の毛繕いをしている。

  耳の先端が尖っているように映っている。(ただし、耳タブは特徴(1)

  を備えている。)

この「宵の出巣」のビデオ録画では、希々の耳の先端はつねに鋭角に映っている。

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従って、希々は耳が尖っているものとばかり思ってしまい、12月5日のムササビ(耳

先端丸い)は、はじめから希々ではないと思ってしまった。この誤解に気がついたの

は、この「宵の出巣」の昼のビデオからである。

929昼  2009.09.29昼  
 母親悠のお腹の上で眠っている希々

 おどろいたことに、耳の先端は丸い。

 (写真左下が悠、その上部に8月生まれの彩、真ん中が希々)

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ムササビの耳は、時として野ウサギの如く動く。眠っているときでも動かしている時がある。

興奮・活発化すれば、耳もその先端がねて、耳も後退したようになる。うっかりしてこんな

こともわすれて長い々回り道をしてしまった。反省、反省!! 




 注1は、左下の「続きを読む」をクリックすると開きます。


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注1

 川道武男 「夜をすべるムササビの社会(1)」自然 1984年1月号 


注2

 12月6日、奥の杉の木巣箱(ビデオ付いていない)は、ムササビが、昼中、中でゴソゴソ動いて

 いた。但し、近寄ると動きを止めて静かになる。したがって、写真は遠くからしか撮れなかった。

42誰奥の杉木巣箱 2009.12.06奥の杉の木巣箱

 昼、1日中、巣箱の中で動き回る音がしているが、

 近寄ると、ピタッと止む。写真はこれしか撮れなかった。




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