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22ムササビを探して
2009 / 03 / 07 ( Sat )
 ムササビ悠は2年続けて子供を産んでくれた。だから近くにオスムササビが

いることは間違いない。この町にはどのくらいのムササビがいるのであろうか。

網羅的なデータはないようである。山仕事をしていた人やかっての「鉄砲撃ち」に聞い

てみると「けっこう見つかるよ。杉山に入ってムササビが齧った木を見つけて、その近く

でこんもり杉の枝が丸まったところが巣だ。」と言う。実は、「どこそこの神社」とか「あ

そこの旧家」という応えを期待していたが、この阿武隈山麓では、ムササビは、神社

や旧家よりもまだまだ山の方に多いということであろうか。山歩きは後日にして、街道

沿いの探索に出た。

 悠のいる森から最も近い神社に行った。悠の森から20mほど下にあり、悠達が滑空

すればアッという間である。境内は500坪ほどあり、ほとんどが杉の木になつてしまっ

たが楓や松もあり、古い神社らしい趣がある。大きなカヤの木があり、アンクル・カナ

が子供の頃その洞でフクロウが繁殖していた。しかしながら、むささびがいる痕跡さえ

も見つからなかった。古い本殿に齧った穴もない。悠はともかく、悠の子供達が棲みつ

いてもよさそうなものなのだが。古老の話しでは「この神社には昔っからバンドリは居

ねー。バンドリはウエンディ山、カナさんのとこだけだ。すぐ下だがら居てもいいはずな

のに。どうしてた゛が分がんねー。」とのことである。悠のホームレンジ内であり、子供

も棲まわせないということか。オスムササビがいてもよさそうだが不思議である。


 悠の森から500mほど東、お墓まいりのついでに、周りのアスナロと杉の木々に

ムササビ痕跡を探した。あきらかにムササビが齧ったアスナロが3本ある。 

DSC00465ヒバの木1
   数100本のアスナロのうち、北側の縁にある3本が樹皮を

  剥ぎ取られている。 傷はそれほど古くはないので、この冬に

  つけられたものであろう。

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DSC00467ヒバ2    上の写真の数メートル横のアスナロ

    表面はボロボロ状態である。「鉄砲撃ち」が言っていたように、

   近くに「枝を丸めた巣がある」はずと思い、大きな杉の木の上を

   探したが枝が込んでいて見つからない。 
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ここは、たぶん、悠のホームレンジの東淵ぐらいであろう。なんせ、お墓なので夜観察

するのも気味が悪いし、それに気づいた人はもっと驚き、何を言われるか分からない。

ここはひょっとすると、悠のダンナが棲んでいるところかも知れないのだが、それを調べに

夜一人で来る気にはならない。



 先に、本ブログでプ菩提寺のムササビを書いた(「17危うしお寺のムササビ」)。社務所

の穴は塞がれていないので今でもムササビは出入りしているであろう。ここには大きな

カヤの樹があり、洞というか幹の裂け目もあり、ムササビが棲めそうである。なのに

社務所の方に居るということは、社務所のほうが棲みやすいということか。人もいないし、

雨、風も完全に防げるからであろうか(なお、この裂け目の上に小さなくぼみがあり、フク

ロウが繁殖するという。但し、未確認。)。


 2kmほど南、沢2筋離れた社。杉山が間近に迫り、600坪ほどの敷地には数本の高い

木があるが、大木はなく、明るく開けた感じがする。この社は通常は無人であり、お盆や

お祭に人が集う。建物は二つであり、30坪ほどのお堂(?)と二間四方の神輿入れの

建物である。両方ともムササビに出入り口の穴をあけられている。
DSC00023社1    お堂(?)の廂にあいた出入り口。垂直な板に穴

  を開けるのが普通であるが、珍しくて写真に撮った。

  不思議に思い、横に回ったら垂直な板壁にも穴が

  あった。もっとも廂のほうが木に近いので納得した。
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DSC00024社2    二間四方の神輿入れ。この穴のすぐ近くに目の

  あらい格子戸があるのに、わざわざ穴をあけた。

  ムササビの意地かもしれない。以前はこの穴は

  なかつた。この冬あけたらしい。「枝を丸めた

  巣」よりも、冬には建物の方が凌ぎやすいのか。せっかくペンキまで塗って

  保全しているのに檀家の人々は怒らないかな。中のお神輿は大丈夫?
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  ここのお神輿がお祭には国道沿いの本殿まで担ぎ出される。その本殿のすぐ

うしろには、近隣で一番の大杉があり、下から10mほどの高さに洞もあり、一見して

ムササビがいそうである。ところがムササビ痕跡をさがしても見つからない。洞の大き

さ、高さ、安心感、山へのルートなどすべて満たしている。なぜいないんだろう。本殿

の脇近くに住み、この町一番の野鳥好きのT氏に聞いたところ「あの洞は日本ミツバ

チ。冬ではわからないが、夏はすごいよ。」とのことであった。納得、納得(ムササビ

はスズメバチと同様ミツバチも嫌いと分かった。T氏に感謝。)。


 さらに南へ、沢3筋はなれた部落の旧家の木にムササビがいるとの確かな情報で

訪ねた。あいにく誰にも会えず、話を聞けなかった(田舎で人に会うのは都市部より

難しい)。直感、ここは確かにムササビが居そう。そこで、探せばなんとかなると思っ

たが、家々のすぐ後ろが山になっている。道路からは、庭木か山の木か区別がつか

ない。いったいどの家かも分からず、ましてどの木かは、まったく見当もつかなかった。


 ムササビ探しは、もちろん見つけられればうれしい限りだ。「ここには、いる」と思った

ところで見つけられなくとも、それはそれなりにその分けを考えると楽しいものがある。

 これまで、ムササビ探しのポイントは、①山へのルート、②洞の存在、その高さ、

大きさ、③空家、無人の建物、④杉の木、その容積、⑤人の関与度合いなどであった。

このうち、洞については、悠のために架けたいろいろな巣箱が役立っている。悠に気に

入ってもらおうとして、大きさ、高さ、傾き、木々の位置などを変えて巣箱を架け、悠が

お気に入りの要件がなんとなく見えてきた。それらをあてはめ、大木の洞を見ると、悠

ならここには棲まないだろうとか、この木に巣箱をかけたらムササビは棲み付くだろう

とか考えるが、今回の「日本ミツバチ」は全く思いがけなかった。いわれてみれば、

スズメバチでもそうだった(前掲「15スズメバチと巣箱」)のだから当たり前のことでは

あると思い至る。見て歩いただけでは、その場で予想もつかない、「日本ミツバチ」を

知り、面白さがいっそう増した。

 この街道沿いの人里で、悠も含めてムササビがいるところは、4kmに4箇所もある。

仮に、人里よりも山のに方にこそムササビが多いとしたら、この町には野生動物が

棲める自然豊かな山々が見た目以上に残っているということであろうか。是非そうで

あって欲しいと思う。出不精なので、今のところ山のムササビは隣町の1ヵ所(「続き

を読む」の(e)項参照)しか知らない。おりあらば、山々に分け入り、「杉の枝を

丸めた巣」にであいたいと思う。


  なお、左下の「続きを読む」をクリックすると追記が開きます。  
本文以外のムササビ探索箇所を以下に記載する。

(a)悠のところから北に沢一筋離れた旧家を訪れて話を聞いた。当主が言うには、

「あの杉は枝が枯れたのでた根元からきってしまった。もう数十年になる。高さよりも太さ

があり、かなり古いものだった。あれがあったころはバンドリがよく飛んでいた。杉を切っ

てから、沢の砂防工事もしたし、もうここにはいない。」とのことであった。


(b)南に3km、街道沿いのお寺でムササビを探した。樹齢6、70年であろうか杉林が

社殿を取り巻いていて、山へのルートも確保されている。社殿は最近塗り替えたらしく、

敷地内の住職さんの役宅も手入れが行き届いているしね境内は掃き清められている。

杉林の中を見てまわったが、ムササビの痕跡はなかった。


(c)更に南下し、町の中心部にある館跡を見て回った。ここは山すその先端部にあり、

車で最上部までいける。最上部はかなり広く、多目的広場、野外ステージ、駐車場、

敬老福祉施設ができ、まわりは、大きな木はないが、種類も豊富で、多種の野鳥が

観察される。昼は結構子供連れの人が多いが、夜はひっそりと静寂なはずである。

むささび痕跡は見つけられなかった。建物がコンクリート製で新しいのでムササビは

入りこめそうにない。ここに巣箱をかけたら、ムササビは棲み付くと思われた。


(d)国道を離れて東側の里山へ。耕地整理で開けた一角にふるい社を見つけた。何

の木かわからないが古木もあり、ムササビがいるかなと思えたが、見つからなかった。

花を供えにきた老人に聞いたら、「耕地整理で社のすぐ後ろまで田んぼになった。木も

半分になった。バンドリは山がらこれなぐなった。」とのことである。コンクリート製の

電柱づたいで苦労するよりも、山にもっと棲みやすいところがあるのであろうと思った。


(e)帰りは山伝いに隣町に入った。かなりな水量の川筋(上流に発電所がある)の崖

から張り出した古木に洞があり、ここに以前からムササビがいる。高さ20mぐらいの

崖が500mぐらい続き、崖の上は造林の杉林であるが、崖が急勾配なうえに、もろく

て植林には適さず、手付かずの自然が残っている。少し下流は、カワセミとヤマセミ

が見られるので知られているが、ムササビ古木には、「薮コギ」しないとたどりつけ

ないので、土地の人の案内がないと行くのは困難。 ムササビも狩猟禁止となった

ので、もう獲られることはないといいのだが。






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10:49:21 | ムササビ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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