143.もうすぐ青年ムササビ
2013 / 12 / 31 ( Tue )
143.もうすぐ青年ムササビ

 12月20-23日、屋敷林の巣箱には、悠ともう1頭ムササビがいる。悠の方は、8年の付き

合いになるので、ビデオモニターですぐ悠と分かる。もう1頭のムササビは誰であろう。

写真を撮れれば、すぐわかるが、冬季の昼にはなかなか巣箱から顔を出さない。

143緒白①
  若いムササビだ

  夜の出巣前の毛繕いで

  オチンチンをなめている。

  若くてオスなら緒白の

  確立が大。でも他から

  やってきた若オスの可能性もある。


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143 緒白②
  ビデオモニターを見ていて

  やっとお目当てのシーンが

  きた。尻尾の淵が白くて、

  先端ほど白くなる(赤外線

  だからこのように見えるの

  であろう。)何度も見てきた

  緒白の尻尾だ。

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ムササビには尾の先端部分が白い(白毛)個体(「オジロ」)が16%もいるとのこと

(川道武男1984)。緒白は幼児の時にはもっと緒の先端が白かったが、成長するにつれて

先端白さは薄くなり、尾の淵部分の白さが目立つようになった。もっともこれは、赤外線

で見たもので、通常光では違って見えるかもしれない。悠が産んだ14頭の子の中で、

(赤外線で見ると)オジロは2頭である。子供の時は尻尾の先端がオジロなので緒白と

名付けた。生後16ヵ月になる。母親悠とはもう同居はしない。悠が使用する巣箱を決め

て、緒白が別の巣箱に入る。

 今回の観察で二つの新しい活動が観察された。一つは、宵の出巣が早かったことである。

日の入り(国立天文台福島市の値):16:26に対して、緒白は16:44(12月20日),16:50

(12月21日)に出巣した。薄暮の明るさである(悠は17:09)。出巣してすぐ、屋敷林から

山の方へ出かけていった。この地方では、ムササビの繁殖交尾時期は12月末から1月

中旬であるが、緒白はまだ成獣になっていないし、睾丸の発達もそれほどではない。でも、

そういう場には参加するのであろうか。

 2つ目は、朝の帰巣で、巣箱を変えたことである。それまで住んでいた巣箱Sは悠が

使うことになり、緒白は巣箱Aに移った。次の日も朝、悠がSに入ると、緒白はいったん

Aに入り、ゴソゴソ動き廻っていたが、巣箱B(それまで悠が使っていた)に移動した

(薄明の明るさ)。別居したばかりの子が、母親が宵の出巣でいなくなった巣箱に入り

興奮してハシャギまわることは、これまでも観察された。しかしながら、青年前の子が、

一旦は巣箱に帰巣し、すぐ、母親のいた巣箱に移動したことは、これまでなかった。

何か知らない、母親と成熟前の子との微妙な関係があるのであろうか。






   注: 川道武男 「夜をすべるムササビの社会(1)  自然 1984年1月号 

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