28巣穴移動の危うさ(その2)
2009 / 05 / 19 ( Tue )
28巣穴移動の危うさ(その2) 

      その1で、悠たちの5月6日の巣穴移動を書いた。本稿はその続きである。 


③5月7日
DSC01071Bから新巣箱を見る   巣箱Bのほうから新巣箱の方を見る。

 新巣箱は向こうの端の杉の木にあり、

 悠はこの空間を滑空してくる。子供を

 咥えての移動は右手の杉林の中と思われる。

 紗々と希々が落ちていないかと、探したが見つからなかった。

 よかつたと思うが、不安が残った。
/>

DSC00051悠5/7昼
  5月7日昼すぎ  奥の杉の木巣箱の悠

 昼になってようやく悠が覗いてくれた。よかった!!

 子供達は顔をださないが、この中に寝ているので

 あろう。
/>

なお、昨日は、この巣箱(奥の杉の木巣箱)にムササビXがいたが、悠に追い出された

ことになる(他の3つの巣箱にもいない。母屋に入ったとするとまたたいへんだが・・)。

奥の杉の木巣箱にはビデオが付いていないので、悠たちの観察は、巣箱外部からする

しかない。子供の移動は、夜とは限らないと思い、朝から三台のビデオモニターはつけ

たままだが、夜9時を過ぎてもどこの巣箱にも悠達は移動してこない。モニターも止め、

観察はあきらめた。


 ところが、念のためにビデオをつけた(21:51)ら、なんと
母子巣箱B7日夜
  巣箱Bで、悠と子供1匹が熟睡している。
   
  9時からの50分の間に移ってきたことになる。

  動かないし、その熟睡状態からすると9時過ぎに来たのか。
/>

  
 昨晩、紗々を運んだ後、2時間半も希々を迎に来なかったのは、移動先で寝ていた

のだ。希々が一人ぼっちで不安そうにしていたのはなんだったのだ。母親は移動先

で平気で熟睡していたのであろう。心配しただけに、なんとなく腹が立った。    


 しからば、2時間もすれば奥の杉の木巣箱でまっているもう一匹の子を迎に行くで

あろうと、寝るのを止めて、観察に入った。ところが、悠は大の字になり眠り続ける。

23時半になり、ようやく迎に出て行った。ところが、またまた帰ってこない。この

巣箱Bと奥の杉の木巣箱は10mも離れていない。すぐ目の前のことではないか。

 きっとあっちでまた寝ているなと思う。 

 そして待つこと1時間、

2匹目巣箱B7日夜
   24:27 希々を咥えて悠が頭から 入ってきた。

    この後、悠は、希々の毛繕いをし、1時に出巣し、
 
    朝四時過ぎに帰ってきた。
/>



 哺乳動物のある種は子供の危険を感じると巣穴を移動するという。今回の悠もそう

だったのだろうか。

 たしかに、今回はカメラに超望遠レンズをつけて、巣箱の前で写真を撮った。悠に

してみれば、あたかも鉄砲でねらわれていると感じたのかも知れない。だとすると、

三脚とキャタツは巣箱Bのすぐ前なのに、奥の杉の木巣箱から巣箱Bになぜ移った

のか分からない。でも、悠になんらかの摂動を課したには違いない。「俺はいくら

寄っても平気だよ。」というカメラ愛好家がいるが、もって瞑すべしか。


 ムササビXの存在もあるのだろうか。ムササビの子殺しが報告されている(注)。

悠にとって子供のことを考えるとムササビXも恐い存在なのだろうか。それなら、

なぜXが数時間前にいた奥の杉の木巣箱に移動したのか、子供の一方を数時間

も迎へにいかず、放置するのか。まさか忘れたのではあるまい。でも、Xのいなかった

昨年も一昨年も巣穴移動はしなかった。Xはやはり関係しているのであろうか。

         注 : 川道武男「夜をすべるムササビの社会」 自然 1984年2月号
           
 もう1つは、私の知らないことだが、人によるイタズラも忘れてはならないことであろう。


 他を攻撃しない動物の代表例みたいなムササビにとって、危機回避には、子連れ

移動しかない。しかしながら、子供が落下する危うさは大きい。子供を咥えて滑空す

るかどうか見ていないが、樹間を伝っていくのも簡単ではないであろう。子供がある

程度大きくなれば、移動途中で恐がったり嫌がったりして暴れることもあろう。今回

はじめて観察できたが、子供は、巣穴の中でさえ、咥えだされることに抵抗し、逃げ

惑う。巣箱の外でも咥えなおしのためか、およそ一分もドタバタしていた(5月6日

希々の運び出し)。移動途中で暴れることはないとは言えない。子供が落ちてしま

えば、ムササビは地上に降りないから、子供を助けないのではないだろうか。

 そんな危険を冒し、かつ子供が嫌がることを労力してまで、今回頻繁に巣箱移動

したのは、なぜか。

 危機回避のためなら、2匹の子供のうち、一匹を2時間以上も独りに放置して、

母親自身は寝ているだろうか。ムササビXと写真撮りの摂動がゼロではないだろ

うが、今回の移動は、悠が考えた、子供への育児教育の1つ でもあったのでは

ないだろうか。

 深夜、早朝と厳しかったが、充実できた連休であった。





 強調文
スポンサーサイト

テーマ:散策・自然観察 - ジャンル:趣味・実用

11:17:15 | ムササビ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
27巣穴移動の危うさ
2009 / 05 / 18 ( Mon )
27巣穴移動の危うさ(その1)

 ムササビの赤ちゃんが落ちていて、助けられ、やがて山へ帰っていったお話がテレビ

で報道されている。昨年も一昨年も悠は、子供が大きくなって自分で巣外にでるように

なるまで、巣箱を移ることはなかった。巣箱の中で、子供の動きが活発になり、はずみ

で巣箱からこぼれ落ちそうになることも何度かあった。ムササビの赤ちゃんが救助され

るのは、巣穴から落ちてしまい、動き回り、弱っているところを拾われるものとばかり

思っていた。

 5月の連休中に、悠の子育てを観ていて、母親が子供を口に咥えて移動中に子供を

落としてしまうことの方が多いのではないかと思うような出来事があった。悠は連休中

に3度も子供を口に咥えて巣箱を移動した。

    
    悠の2匹の子供は、生後50日弱、大きくて活発な方を「紗々」、小さくておとなし

    い方を「希々」と名づけた。まだ乳を飲んでいて、自力では巣箱の外にはでられ

    ない。健康、元気、よく巣穴から外を見ている。


    現在、悠が使用可能な巣箱は4個(注1)。うち、1個(奥の杉の木巣箱)には
    何者か分からない(オスの成獣か昨年生まれの奈々か不明)ムササビが棲
    すんでいる。


移動の概要

 ①4月27日から29日

   悠と子供は巣箱Bにいる(出産した「新巣箱」から移動したのだ)。
  
悠帰巣4.28    4月28日早朝 巣箱B

  2匹の子供が待つ巣箱に悠が帰ってきた。

  子供はまだ巣立ちしていないから、悠が

  口に咥えて、出産した新巣箱からこの巣

  箱Bまで運んだことになる。新巣箱と巣箱Bは約40m離れている。 />



  ②5月4日、5日

   悠達は、新巣箱にいる(巣箱Bから戻ってきたのだ)。 奥の杉の木巣箱から

   ムササビが顔をだしている。昨年生まれの奈々かそれともオスのムササビ

   かな。 この日は写真をたくさん撮ったが、その正体はよく分からなかった。


 ③5月6日  悠は、夕方新巣箱から子供達の移動を試み、「紗々」を夜9時、

  「希々」を夜の11時半に巣箱から運び出した。移動は簡単ではない。

  子達はいやがって抵抗するので悠にとっても大仕事のように見えた。

連れ出し①   宵の出巣と思ったが、悠は巣箱の外で子供

  が巣穴から外を覗くのを待っていたかのごとく、
  
  引っ張り上げる。子供はいやがって逃れる。


/>

連れ出し②  2回目の引っ張り上げ。子供が再度外を覗くのを

  待っていて、今度は頭に噛みつき引きずりあ

  げようとする。子供はあばれて逃れる。
  

/>

連れ出し③  3回目。今度は後頭部に噛み付いて引っ張り上げる。

  子供キィキィ泣き、抵抗する。この3回の引っ張り

  上げはおよそ5分間(18:42から18:47)行われた。

  悠はあきらめ、巣箱の中に入り、子供達の毛繕い
 
  を始めた。
/>

 
引きずり出し① 19:09 子達の毛繕いをしていた悠が巣箱の外に

 でる。子達が巣穴を覗くため立ち上がると、悠は巣箱

 の外から子供の頭に噛み付き、ひっぱりあげる。


/>

引きずり出し② 子供の体の半分以上が引き出された。子供は入り口

 にしがみつき、抵抗する。

 (もう1匹の子は知らん顔をしている。)


/>

引きずり出し③ もみあいは、子供の勝ちとなり、体半分以上が

 巣穴の中に入った。3分間に五回の引っ張り出し

 がなされ、うち1回は1分以上のもみあいとなった。


 
悠はあきらめたのか、この後巣箱の中に入り、子供達の毛繕いを始めた。

子達も静かになった。
/>

      
悠は、6分ほど巣箱にいたが、巣箱の外に出た。またまた引っ張り出しをするかと

 見守っていたが、1時間半もすぎてから(19:32)、戻ってきた。自分の食事などして

 きたのであろう。子供達の毛繕いを入念に行い、子達がトロトロになって静かになった

 ところで、突然、
咥え込み②    「紗々」のお腹(膜の部分)を咥え、

 紗々のおしりの方から、巣箱の外に押し出した。

 紗々も抵抗できず、アッという間に母子は出て

 行った(19:54)。

 先の「引っ張り出し」では抵抗されたが、「トロトロ」
 
 にしておいて口に咥えて押し出すと容易に見えた。
/>



  巣箱に希々が残された。悠と紗々の行き先は、巣箱Bだと予測したが、いつまで

 待っても現れない。紗々が途中で暴れて、落ちてしまったのか。それを探している

 のだろうかなどと心配した。もう1つの巣箱である奥の杉の木巣箱(ビデオ付いて

 いない)の可能性もある。 2時間過ぎても悠は希々を迎にこない。これは移動

 中に紗々を落としてしまったに違いないと考えた。この暗闇では探しようがないの

 で、明朝早く探索することにした。

  
  悠と紗々が出て行ってから、2時間余り過ぎた(23:13)。悠が戻ってきた。
2匹目咥え込み
  悠は戻るなり、急ピッチで希々を舐めまくりトロ

  トロにする。10分ほどして希々が動かなくなると、

  両手で希々を抱えあげ、横向きに咥えて、巣箱

  から押し出そうとする。希々抵抗して暴れるも、

  強引に持ち上げて巣箱の外に出る。 

  巣箱の上でドタバタ、ドタバタとおよそ1分もうごめく。きっと抑え込み、咥え直しを

  しているのであろう。 やがて静かになったが、移動中に子供が暴れたら、子供

  は落ちてしまうに違いない。先に移っていった紗々も無事に奥の杉の木巣箱の

  移ったのだろうか。

  明日にならないと無事かどうか分からない。(その1完 )
/>



 

テーマ:散策・自然観察 - ジャンル:趣味・実用

08:47:25 | ムササビ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
26.外が見たい
2009 / 05 / 11 ( Mon )
26外が見たい

 巣箱の下に行くと、3月に生まれた2匹の子供が顔を出してくれた。生後(たぶん)46日

目。母悠が寝ている背中で飛び跳ねて遊ぶようになり、もう少しすると、巣穴の外に出て

くる。体の大きい方を「紗々」、おとなしくて小さい方を「希々」と名づけた。


DSC01240紗々    「紗々」

  巣箱の近くに行くと、まず母親悠が顔を出し安心確認する
  と、すばやく紗々が代わって覗く。
           


/>

DSC01227紗々と希々    「希々」

  小さくてスローモー。すぐ紗々に場所をとられてしまい、
  なかなか写真に撮れない。この時も紗々(右側)が
  下からねじ込んできて、取って代わられてしまった。


/>

テーマ:散策・自然観察 - ジャンル:趣味・実用

07:36:38 | ムササビ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
25 子育て巣箱を変える
2009 / 05 / 03 ( Sun )
25 悠 子育て巣箱を変える

 悠は、この3月(20日ごろ)、新巣箱で赤ちゃんを産んだ。4月末で生後およそ40日

になる。その後、どうなったか気掛かりだったが、連休で一足先に帰省した妹から電話

連絡が入った。

 「お兄ちゃん、ムササビビデオを点けたけれど、ムササビいないよ。」

一瞬、悠が子供の頃、巣箱をイタズラされたことが過ぎる。

 「巣箱の中どうなってる。」

 「巣草が丸く(敷かれたように)なっていて、きれいだよ。今まで棲んでいたみたい。」

 とのこと。

 他の巣箱にいるかどうかすぐにも調べて欲しいが、テレビ2台と3台のビデオとの配線

が入り乱れているので、分かるように説明できない。到底頼めないなと思い、あきらめ

かけた。

 しばらくして、妹から、

 「大きい方のテレビは見えるようになった。リモコン適当にやったら、ムササビが写った

 よ。あれはいつのビデオテープ?」

 「ビデオテープじゃない。ライブだ。どんな様子か?何匹いる?」

 「巣箱の真ん中でデーンとしていたよ。1匹。今見ていないからよく分からない。」


 母親悠か昨年生まれた奈々か。悠だとすると子供はどうしたんだろう。奈々だとすると

悠はどこか、巣箱A(昨年スズメバチに乗っ取られたまま)にいるか、もう1つの巣箱(奥の

杉の木巣箱)か? それともこの屋敷森からいなくなったか? 裏山に入って見てきて

欲しいところである。   

 しばらくして、妹から、

 「大きい方のテレビでムササビ写してる。子供真っ黒。2匹いるよ。お母さんの尻尾

  が上になってよく見えない。あっ、いまでてきた。でてきた。意外と大きい。」


 やれやれこれで一安心。悠も子供も無事だった。早速、依頼。

 「夕方6時半から8時半までビデオ撮っておいてくれ。7時すぎにお母さんが巣箱から

 でていく。子供は跳ね回って、その後寝るだろう。できたら、夜12時から朝6時まで

 新しいテープに撮って欲しい。朝、4時過ぎにお母さんが巣に帰ってくると思う。」


  悠は、新巣箱で子供を産み、巣箱Bに子供をつれて引越ししたのだ。

DSC00077新巣箱①    新巣箱

   巣箱の横にある杉木は、突風で根元から
   折れてしまった。出産前の出来事だが、
   それ以来、風あたりが強くなりよくゆれる
   ようになった。
/>


DSC00079巣箱B①    巣箱B

   新巣箱から巣箱Bまではおよそ40mある。
   悠はうまれた子供を咥えて移動させたの
   であろう。滑空したのか、それとも木々
   をつたって行ったのか。



/>


子供は、生後40日ぐらいだから、自分では巣穴の外にでないから、悠が咥えて

行ったのだ。新巣箱から巣箱Bまではおよそ40mもある。子供が「意外と大き

い」というからには、昨日、今日に咥えて運んだのではなく、そうとう前と思われる。

そうだとすると、新巣箱に「今まで棲んでいたみたい」は、なんなんだ。現場を見て

いないので分からない。でも、子供を咥えて運ぶ悠を見たかった。写真にも撮りた

かった。


  一昨年の子(友友と理理)も昨年の子(明々と奈々)も、自分で巣穴の外に出るよう

になるまで(生後2ケ月過ぎ)、生まれた巣箱(巣箱A)で育ち、今回のように母親が咥え

て運ぶようなことはなかった。 今年は、何かあったのだろうか。 

 子供のころ、猫が子供を産むと、まだ目も開いていないうちから、触りまくったので、

母親猫は、子供を納屋の二階に隠してしまい、子供が大きくなるまで母屋に連れてこな

かった。また、うさぎも巣を変えた(殺してしまったこともある)。

 テレビでミーヤキャットを見たが、天敵を避けるため、子育て中、何度も巣穴を変えると

いう。

 悠は、何かに怯えたのであろうか。急速に増えているというハクビシン、のら猫、はた

またフクロウか、人のイタズラか  

 それとも、巣箱の環境か。昨年、一昨年の出産巣箱Aと今年の新巣箱を比較すると、

新巣箱は、巣箱Aより高い位置(地上9m)にあり、且つ細い杉の樹にかけてあるので

風でよく揺れる。3月に突風があり近接杉の樹が倒れてしまった。先日の地震のゆれも

激しかったであろう。



悠の今回の引越・移動の要因について、現地で観察し、考えてみようと思う。巣箱の

立地にあるのであれば、新巣箱と巣箱Aの比較もして、差し迫った新設巣箱に生かし、

悠の家族達により快適な環境を提供しよう。

  


 

テーマ:散策・自然観察 - ジャンル:趣味・実用

20:15:59 | ムササビ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
| ホーム |