98.無事に育て
2012 / 05 / 09 ( Wed )
98.無事に育て

 ムササビ絆は3月下旬屋敷林の巣箱の中で生まれた。ハクビシンを心配しながら

(記事94参照)、1ヶ月たった4月27日から29日観察・帰省した。


絆は無事だった。

98絆巣草で遊ぶjpeg 2012.4.27 巣箱B

 母親悠が出巣した後の絆

 巣箱の中を動きまわり、巣材

 を掘り起し、噛む。18:57開眼

 を確認した。 />



 この日の開眼と3月25日の悠の出巣から、絆の生まれたのは3月22日か

21日であろう(注1)。

98悠巣帰る
21:45 悠が帰ってきた。

 悠は口いっぱいに巣材(細く裂いた

 杉の皮)を咥えてきた。


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98.悠巣草しごき
   悠は授乳を後回しにして、

   細く裂いた杉の皮を口で

   しごいて整える。絆も乳を

   欲しがらず、悠の背中で遊ぶ。 

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98絆授乳
   4.29 昼

 悠はほとんど寝ていて、絆を

 お腹の上にのせている。

 絆は寝ながらも乳首を咥えている。  
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98絆覗く 2012.4.28

   絆が巣箱の外を見ようとしている

   ので撮ったが、まだ巣穴まで届かない。

   巣穴の入口には悠の毛がついている。

   冬毛が変わる時期になった。
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 絆は無事だった。今回の観察ではハクビシンはいなかったが、テンがいた(前記事97

参照)。後一月もすれば、絆も巣箱の外に出られるようになる。そうなれば、母親悠と

昼も夜もいっしょだから、テンもハクビシンも心配しなくてよくなる。なんとか乗り

切って欲しいものだ。



      注1:ムササビの開眼は生後36日と言われている。4月27日に開眼
         したとすると3月22日が誕生日になる。4月26日は観察して
         いないので27日が開眼日かどうか決定しえない。しかしながら
         3月25日には、母親悠の出巣は21:45と遅いこと、途中帰巣が
         一回のみだったことから、その2,3日前に出産したと推定され
         る。よって3月21日または22日が誕生日となろう。

         
 

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97.すれ違い(テンその6)
2012 / 05 / 06 ( Sun )
97.すれ違い(テンその6)

 テンはムササビにとって天敵という。いまだその襲撃場面に遭遇していないが、そのすさ

まじさは、「ウサギがはねてきた道」川道武男著(紀伊国屋書店)に明らかだ(前記事66

参照)。

 この屋敷林のムササビ巣箱にテンが出没するようになって、テン対策として下記2点をした。

①落ち葉掃きの徹底と藪や下草を生やさない、

②テンの使う巣箱にネズミ返しに習って「テン返し」をつける。
97テン返し
  巣箱Nのかかっている木につけた「テン返し」。

 昨年11月につけてその効用かテンは巣箱Nに

 入らなかった。3月から芯々(悠が昨年大地震

 ・余震の中で産んだ子)が住んでいる。
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97芯出巣前①   2012.4.27巣箱N

  宵の出巣前の入念な毛繕いを

  する芯々。


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97巣箱内巣材料
 18:45 芯々が出巣したあとの巣箱N

  巣材(杉の皮)は十分だが、一本

  一本は細くもなく、しごき方も雑で

  ある。雄の子だからこの程度でいいか。
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97テン①
   芯々が出かけてから45分後(19:32)

   テンが入ってきた。日没からおよそ

   1時間半。どこからやってきたのか。

   いつまでいるのか。餌は食べたのか。

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97テン②
   巣箱の中で跳ね回るテン

   まだ成獣にはなっていない。

   雄だ。雑・肉食のたくましい手足だ。
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97テン③牙
    牙も太く、鋭い。

  心配なのは、このテンがここを出て

  赤ちゃんムササビの巣箱に行くこと。

  または朝までここに居座って芯と遭遇
すること。この後、20:55になってテンはこの巣箱から出て行った。
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97ムササビ赤ちゃん  巣箱Bのムササビ赤ちゃん

 母親悠が出かけていて、一人ボッチだ。

 テンがきたらひとたまりもない。 

 テンが居た巣箱Nから38mしか離れていない。

 どうぞテンが入って来ませんように。1分が長い。21:45巣箱の上でガサガサ

 と音がする。テンだったらどうしょう。入ってきたのは悠だった。やれやれ.....

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 巣箱NとBを朝まで見張ることになってしまった。


もう夜明け近い。巣箱Nの屋根の上でゴソゴソと音がする。芯々かテンか。音が

してからおよそ2分してから、

97芯帰巣①  入ってきたのは芯々だった。

  芯々は入ってからもあたりの気をうかがう。

  横にはならない。すぐ外を覗く。巣箱に

  入ってから10分して体を横にして休んだ。
/>

 
 テンが入った巣箱に翌朝ムササビは入るだろうか。悠は入らなかった(前記事61

「悠の警戒」参照)。今回、芯々は警戒しながらも同じ巣箱に帰巣した。芯は雄で

あるからだろうか。そして悠は常に子供が一緒であることが関係しているのであ

ろうか。

 ともかく、今回はテンとムササビが遭遇することはなかった。ただ何かの都合で

すれ違いになっただけだ。この先はどうなるかわからない。ムササビに巣箱という

住居を提供している大家としてはテンに住処を貸すつもりはなかった。テン対策

として屋敷林の清掃と「テン返し」をつけたが、効果のほどはほめたものではな

かった。とかく思いどおりにはいかないものである。







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96.僕を間違わないで
2012 / 05 / 04 ( Fri )
96.僕を間違わないで。

96芯四月ビデオ 2012.4.28 昼 巣箱N   

 巣箱の中は以外と暗い。赤外線でしか

 映らないのでカラーにならない。。大人か

 子供か、♂か♀か、耳の形と傷の有無 等

 は分かるが、個体識別は無理。/>


 昼に巣箱から顔をだした写真を撮る。この日は何回も顔を出した。(写真はクリックすると

拡大する)

96芯4月① ① 2012.4.28 巣箱N

 毛の色、顔立ち、大きさからは青年と

 少年の間ぐらいか。

 この角度では頭の左りが盛り上がっている。
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96芯4月②
 ② 2012.4.28 巣箱N

 ①よりは大人に見える。

 左耳の傷はっきりと見える。

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96芯昨年五月
 ③昨年5月(2012.5)

  これまでの写真の中で、頭の左りが盛り上

  がっているのは、この芯々の写真だ。

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96芯3月②
  ④先月(2012.3)の芯々

  左耳の傷は②の写真と全く同じ(クリック

  するとよく分かる)

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96芯昨七月
⑤昨年7月(2011.7)の芯々





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96芯4月③
⑥2012.4.28

  ⑤と同じポーズの写真は撮れなかった。

  この日はコジュケイ、キジバトが巣箱の

  まわりを飛び回っていた。前日テンが

  この巣箱に入ったので、何か音がすると警戒して、よく顔を出した。

以下の写真はキジバトを見ているところである。
96芯4月④
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96芯4月⑧

4月27日現在、屋敷林のムササビは、巣箱Bに悠と3月に生まれた幼児がおり、巣箱Nの

このムササビの3頭である。このムササビが誰かを識別するにあたって、芯々以外に

もっとも可能性があったのは、3月に悠と同居していた昨年8月に生まれた子である。

今回は巣箱のまわりにキジバトやコジュケイがいてムササビがこれらを警戒して何回も

顔をだし、多数の写真が撮れた。おかげでこれまでの写真と比較検討して、間違いなく

芯々と識別できた。

 

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95巣箱B子育て
2012 / 04 / 14 ( Sat )
95ムササビ悠の子育て(巣箱B)

 この5年間ムササビ悠は3月にはいつも出産した。今年もまた、出産したであろうかと

期待をしつつ阿武隈の実家に帰省した。


93Bのムササビ②  3月25日 巣箱B

 悠は子供(右)といっしょの巣箱にいる。  

 2頭ともほとんど動かない。これでは出産

 したかどうかわからない。
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95悠残る  夜になって、通常の出巣時刻を20分すぎて

 子供ムササビが出巣した。残った悠はなかなか

 出巣しない。出産の期待が高まる。時間がたち

 20時を過ぎる。こんなに遅いのはこれから出産

するか、出産したばかりに違いない。ビデオモニターに集中する。 />


95悠巣草架け   21時20分 悠はようやく毛繕いを始めた。

 ついで態勢を右に変え、左に変え、はては

 回転し、巣材を掘り起こす。この動きは

 すでに出産しているのだろう。赤ちゃんは

1頭か2頭か。いつ出産したのか。

95幼児25日最初  21時40分 悠が出巣する。

 やはり赤ちゃんは生まれていた。

 1頭だ。巣材の中でわずかに動いて

 いる。尻尾は針金のように細い。

踏んだらつぶれてしまいそう。長いことほとんど動かない。画面を見つめる。

生まれたのは2,3日前か。悠はすぐ戻ってくるだろうか。
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92ハクビシンの子供   21時58分隣の巣箱がガリガリとなる。

 ハクビシンの子供が入ってきた、一時間半して

 大きなハクビシンが入ってきた。この巣箱は、

 赤ちゃんのいる巣箱と9mしか離れていない。

 0:29あいついで出ていく。赤ちゃん巣箱に行くか。悠がかえってこないと

赤ちゃんは食べられてしまうのか。気が気ではない。
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 赤ちゃんのいる巣箱Bにハクビシンが入ってきたら終わりだ。どうすべきか。

入ってきたときには、追い払うにも梯子をかけるのに手間取って間に合いそうも

ない。まして夜だ。早く悠が帰ってきてくれ。

唯一の救いは、巣箱Bの入口が狭いことだ。少なくとも大人ハクビシンは頭まで

しか入れないだろう。ハクビシンが来ないように。悠よ早く戻れ!!!!


 およそ30分、巣箱Bの屋根板がゴソゴソする。スワー!!ハクビシンか。

幸いにも入ってきたのは悠だった。やれやれ、これで安心。

 
しかしながら、悠は2時間ほど巣箱内で赤ちゃんと一緒にすごし、また出て行った。

いつ帰ってくるのか。その間にハクビシンが来ないとも限らない。ハクビシンの襲来

はないと思っているのであろうか。何かそう確信させる分けがあるのであろうか。

結局1時間余りで帰ってきたが、もう夜明けである。観察初日から寝不足になった。


 観察最後の日(3月30日)までこれが繰り返された。27日にはハクビシンの親子、

悠と同居の子供ムササビ、巣箱Nのムササビはそれぞれいつもの時間に宵の出巣をした

が、28日の朝、全員この屋敷林の巣箱には戻ってこなかった。どうして戻らなかった

か。テンでもいたのであろうか。ところが、悠は、いつもどおり、夜遅く出巣し、夜中

に子育てに戻り、再度出巣し朝方巣箱に戻った。他のムササビやハクビシンは何らか

の危険を感じてか屋敷林の巣箱に戻らなかったが、悠は何事もないかの如く、いつも

どおり赤ちゃんの育児をしている。屋敷林の5個の巣箱のうち、ハクビシンもテンも

入らないし、覗いたこともないのはこの巣箱Bである。この巣箱Bにはハクビシンも

テンも来ないという確信でもあるのだろうか。ないとすると、悠のこの子育ては、

成行きまかせの綱渡りに思えてしょうがない。

 

95幼児29日   3月29日夜

 生まれた子供は確実に育っている

 動きまわって巣材からはみ出している。

 30日には、悠が寝ている間も悠の

 お腹をはい回り、同居の子供ムササビにまとわりついたりするようになった。
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 この赤ちゃんはいつ生まれたのであろうか。25日の夜から26日の朝にかけて、

悠は2度巣箱を離れ、その合計は4時間26分である。また、25日の赤ちゃんの

大きさからもその3,4日前に生まれたと推測される。3月21日または22日が

誕生日であろうか。元気に育て!!!!


 ハラハラ、ドキドキの連夜であったが、これも悠が子供を産んでくれたおかげ

である。新たな命が生まれるのは喜びを誘い、明日への希望を噴湧くさせてくれた。


 




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94.屋敷林のハクビシン
2012 / 04 / 10 ( Tue )
94.屋敷林のハクビシン

 阿武隈の里山。ハクビシンによる被害を耳にする。間違いなく害獣だ。なんでも食べると

のこと。ムササビとの関係はよくわからないが、心配なのはムササビの幼児である。

ハクビシンがいる巣箱とムササビ悠が子育てしている巣箱Bは約9mしかない。


94ハク母子 奥の杉の木巣箱(2012.3.26)

 ハクビシンの母子。

  昼は寝ていて、夜活動。
 
  朝までに途中戻って休息もする。
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94奥巣箱  奥の杉の木巣箱

 巣箱までの高さ8m。他のムササビ巣箱よりも

 少し大きい(内径24cm×26.5cm)。入口大きさも
 
 12㎝。悠のいる巣箱との距離9m。顔を出す

とお互い見える。下草は刈り取り、落ち葉も掃いた。/>

                      
94巣箱奥ハクビシン子
 巣箱から顔を出した子供

 ハクビシン。やはり獣。爪もする

 どいし、鼻の恰好も迫力がある。

 (各写真はクリックすると拡大する)

/>

 
 観察日(3月25-30日)のうち、28日はこの屋敷林にいなかった。30日は子供のみ

であった。他は母子いっしょにいる。
 94ハク母子②
 授乳はしていない。

 母は子の毛繕いをよくする。

 子もときどき母の毛繕いをする。

 子のジャレツキ激しい。/>


94巣箱の中
  巣材(寝床)はなおさない。ペッチャンコ。

  糞、尿はしていない(している様子は

  なかつた)。
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94ハク出巣①
  巣箱の入口が狭いからか、母の方は

 じょうずに回転しながら出ていく。

 宵の出巣はムササビより10分ほど早い。29日、

 巣箱Bから外を見ていたムササビを見て、巣箱

 から顔はださないが、外を見続付けた(警戒態勢?)。出巣は1時間遅れた。
/>


 もっぱら心配したのは、ムササビの赤ちゃんがハクビシンに食べられることであった。

夜中もビデオモニターで看視した。幸いにも無事であった。安心ポイントは2つ。一つは

ムササビのいる巣箱Bの入口が狭く(直径9cm)、母ハクビシンは入れないであろうこと。

現に、昨秋入口の大きい奥の杉の木巣箱に入ろうとしてもがいているハクビシンを観察し

た(記事82)。同一ハクビシンかどうかはわからないが、出産してスリムになっても巣箱

Bには入れないであろう。2つ目は、巣箱Bのムササビと睨みあった際に、ハクビシンの

方が身をひいて警戒していたことである。常時のハクビシンとムササビの関係は分からな

いが、今はハクビシンも子育て中である。ハクビシンも他の動物にはナーバスになって

いるのであろう。ただ、ハクビシンの子供がもう少し大きくなったらどうなるか分から

ない。非常な危険状態なのであろうか。29日にハクビシンの母子とも巣箱に帰ってこ

なかった。巣箱Nと巣箱Bのムササビ(昨年8月生まれの子)も帰って来なかった。赤ちゃ

んのいる母ムササビ悠のみが巣箱に帰ってきた。何かあったのであろうか。昨年悩まされ

たテン(記事80)の親子は今回の観察では見られなかったが、この日は屋敷林を徘徊し

ていたのであろうか。野良ネコが2匹いることから、屋敷林の藪刈、清掃でテンはいな

くなったと思うがどうであろうか。野生動物の危うさを思う観察期間であった。  

 


 







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